政治期間・選挙期間にかかわらず、
「立候補予定者・関係者の政治活動」
「立候補者・関係者の選挙活動」について
「これって公選法違反じゃない?」
「こんなことやっていいの??」という疑問・質問が出た時、どこに問い合わせればいいのでしょう?
選挙管理委員委員会というのは、名前から「管理」してくれそうな印象ですが、あくまで公平な選挙を推進・実施するための役所の機関です。各級選挙・公職選挙法には精通されていますし、ある程度の質問・疑問に答えてくれます。ですが、何ら取り締まる権限がありません。
帯広選挙管理委員会は、普通の市役所職員さんです。しかも管理職含め総勢3名。選挙の時だけ臨時の方を増員されるのですが、万が一2名のプレイヤーが事故や病気になったら、危険だなーと思っております。
1000人を超える帯広市役所の中で、選挙のことを把握しているのが3名だけ。(異動があるにしても)他の職員は選挙に精通しておらず、バックアップに入れない体制というのはたいへん心もとなく感じます。
それはさておき。
例えば上記の写真は、告示日前にやっていたらアウトとなります。(市議選と明記された名入り襷の着用)
「候補者がこんなことをやっているけれど、いいの?」が本当に疑問なだけでしたら、選挙管理委員会への問い合わせで十分です。
しかし「これって、いいの?」の裏に、「公選法違反ならきちんと取り締まってほしい」「どうにかしてほしい」といった実行力を望まれるのでしたら、即警察へ連絡です。結局のところ公選法に関して、取り締まる権限をお持ちの機関は、警察しかありません。
ただ警察と言われますと、通報……のつもりもないんだけれど、質問しようと思って連絡するだけでもハードルが高いですよね。
しかし、緊急性がなくても、選管から「それは警察に確認してください」と言われる質問も出てくるわけです……。
結局、行ったところで、「捜査状況にかかることなので、それは白と黒とも、いいとも悪いともいえません」という玉虫色の回答になってしまったのですが。
候補者に対してでも、それを白と言ってしまうと、それと逆を打っている陣営の人は「アウトなんだな」という情報漏えいに繋がるから、という主旨でもあり。
結局は、帯広警察署→北海道警→といった経由で東京の本庁に送られ、最終判断は本庁で下されるため、その段階で帯広署の職員には明言できない、といった側面もあるそうです。
選挙違反か、判断に時間がかかるからか膨大すぎたか、今回4月の統一地方選挙、大半の人にとって初のネット選挙で「これって違反じゃない?」とどう見てもアウトラインを踏んでいる案件でも、警告も出ず、取り締まられることはありませんでした。
例えば、告示日前にSNSで「選挙に出ます」と明言しちゃっている人とか、全国的に結構いらっしゃったのですが、全国横並びでアウトの人が多すぎて、そういうことすら「アウト」と判断できなかっのではないか、という邪推。
だからといって、公選法違反は違反なので「前回これやっててもみんな大丈夫だったから、次の選挙で自分も告示日前から立候補を公言していーのー」とはならないので注意する必要があります。取り締まられるときは、取り締まられるそうな……。
懲罰等を求めない、単純な質問のときは選管へ。
何かを動かしたいときは、お近くの警察へ「選挙のことなんですけれどー」と、連絡されるといいでしょう。
(公職選挙法違反を見張っているのは、刑事二課です)
「A候補者の支援者の車が、私の家の前に勝手に止めてる」
「B候補の車の排気ガスを、うちに向けるな」
「C候補が、選挙期間中は違反のはずの個別訪問をしている」
「D候補が、政治期間中は違反のはずの名入り襷を着けて街角に立っている」
等々、選管に言ってもどうにもなりません。
通報されれば、通報者にフィードバックはなくとも、警察としては当然調べなくてはなりません。
また駐禁や住居侵入といったもの以外、すぐに対処とはいかなくても、通報があったからには何らかの決着をつけなくてはなりません。
存外、違反のはずなのに横行していることがあって、「これって誰も通報しないから気づかれてないだけなのでは?」と思う事案もあります。
ただ自分もそうですが、通報するほどのことでは……とやはり思ってしまいますし、実際には行動に移さない方が大半ではないでしょうか?
「警察」というのは、なかなかのパワーワードですので……。
Q&A窓口として、ハードルはかなり高いと思います。
ただ、ネット上で「これって公選法違反?」と論じる場面で
「警察に確認したらーーと言ってました」という投稿に対し、
「は? 何で警察? 選挙のこと警察に聞くとか、筋違いも甚だしい。俺選挙について詳しいけど、警察持ち出すとか頭おかしいんじゃないの!?」
という論調で批判されている文章も目にしていました。
この場面では、実は「警察に確認したんだけれど」さんの方が選挙に詳しかったのですが。
もしかしたら、知らない方はそういう場面に遭遇した際、「警察」という単語が強すぎて、「警察に確認しました」さんを怪しいと思い、「警察とか筋違い。頭おかしい」さんの方が選挙に詳しいし耳を傾けるべき存在、と認識してしまうのではないか?ーーそうしたことを危惧しました。
「選挙のお問い合わせは、政治期間中であっても警察」というのは、意外と知られていないのだなーと、後日質問いただいて気づきました。
「警察」という荒々しい単語がブログの別文章に出ていたのを見た方が、上記とは別件でみさきまでご質問くださったので、改めて記事にしました。
ただ、「確認しました」シリーズも、ただ単に「いや、警察がいいって言ってたもん」などと「なぜそう言われたのか、根拠を示していない」ときは、権威を持ち出すためだけのダシにしている怪しさも漂いますし、よほど単純な事案以外で「白黒ついた結論」を明言されたというのも怪しいと、個人的には思います。
確かに私も、
「選管さん質問ですー」
「それは警察に確認してください」
「えー!? 怖いよー、やだよー。でも聞かなきゃ確かめられないし……」
という状況がなければ、わざわざ帯広警察署にまで行って、あれこれ聞いてないですし。
そんなことは知らなかったことでしょう。
なかなかない体験をさせていただきました。
なぜかパトカーを見ると、悪いことをしていなくてもドキッとして挙動不審になりかけるのですが、選挙には立候補者でなくとも、自分に過失もないのに堂々と警察署の玄関をくぐったり、堂々と警察に電話をかけられるーーという使い道もございます。
かなりの非日常感が体験できると思うのですが、いかがでしょう?