ご存知でしょうか?
「六花亭」11月、12月限定の季節のお菓子「ご容赦どらやき」を。
生鮮品と異なり当然どらやきには日持ちを期待されるところ、賞味期限1日限りという短さを「ご容赦ください」ということで命名されたというお菓子。
また賞味期限が短いため製造ロスを防ぐためか、新小豆の入荷量によるのか、製造数に限りがあり「売り切れ御免」を「ご容赦ください」の意味があります。
その名の通り、だいたい午前で売り切れる人気商品です。
しかし冬の限定菓子で、ここは北海道。
いかに製品の糖度が低くても「明日になったらカビが生える」という、食品にとって過酷な環境ではありません。(むしろ北の大地自体が、天然冷蔵庫と化します)
というわけで、賞味期限1日の謎に迫りましたーーー!!
これが「予約も可能ですよ」と言われながら、「いや、そこまでは」と3度目の正直で手に入れた「ご容赦どらやき」です。
折角なので、通常の「どらやき」とも食べ比べてみることにしました。
単刀直入、商品を購入する際、店舗スタッフの方に質問しました。
「なぜ『ご容赦どらやき』は賞味期限が当日限りなのでしょうか?」
「『どらやき』との違いは?」
「ご容赦どらやき」が当日限りなのは、豆そのもののみずみずしさと味を生かすために、最小限の砂糖で水分量を多く残して豆を炊いているから。
時間が経つと、フカフカできめ細かいどらやき生地が、小豆のその水分を吸ってしまうからなのだそうです。
伝えたいお味・食感が損なわれてしまうから、賞味期限を1日としているのとのことでした。
ということは、その日の間にもどんどん生地に水気が移っていくわけで、なるべく早めに買って早めに食べるのが正解なのでしょう。
あまり量が作られないため、ほぼ午前中に売り切れるというのは、趣旨に沿った売れ方と言えましょう。
また逆に、通常版の「どらやき」は「日持ちする」という、本来どらやきに期待される役目を担っています。そうした前提のため、逆に製造から時間が経つにつれ「しっとり」おいしくなることを考えて作られているとのこと。
以上、謎はすべて解けたーー!?
というわけで、ここからはロスタイムです。
実際どれだけ違うものなのか、食べ比べてみました。
向かって左が「ご容赦どらやき」、右が通常版「どらやき」です。
まず外見からして違う!!
パッケージの色だけではありません。厚みと生地のふっくらさが違います!!(圧着されていません!!)
ご容赦どらやきの方が、立体感ある!!(どちらも立体です)
断面図比較ーーまずは「どらやき」から。
ザ・どらやき。十分イケている子です。
ドラえもんに食べさせてあげたら、きっと太鼓判を押してくれるでしょう。
間違いなく美味しい、定番の味です。
続きまして「ご容赦どらやき」ーー
クララじゃないーー豆が立っている!!
見えますでしょうか、煮られた小豆そのものの姿が?
味もそうです。品のある甘みでホクホクとした小豆の食感と味が感じられます。
豆の味を引き立てるためか、ほのかに塩味も効いている……!!
生地もピタッとくっつけられているのではなく、
そっと「載せられているだけ」という感じでフカフカです。
包丁を入れたら、外れそうになりました。
洋菓子を思わせるくらいの柔らかな生地感。どらやき界では記憶にありません!!
私、同じ「六花亭」の季節限定商品で小豆を使用したものでは、「水無月」よりも「ご容赦どらやき」に軍配を上げます!!
「ご容赦どらやき」、生地と合わさって総合芸術のようやーー!!
品のある甘み。お茶席の茶菓子としてでも、立派に勤めることができるのではないでしょうか!?
「ご容赦どらやき」も「どらやき」お値段は、どちらも同じ140円(税込)です。
ならば、六花亭でどらやきを買われる際、「日持ちさせたい」という目的がない限り、試さない理由はありましょうか?
どらやき、なのに「日常使い」ーーというより、「ファビュラス」なセレブ感漂うどらやきを体感せよ!!
なぜなら(帰る範囲内のエリアにいる人は、買えない人よりも)特別な存在だから!
ーー六花亭オリジナル。「ご容赦どらやき」の販売は各店舗、12月25日まで。
12月の最終営業日までの販売ではありませんので、ご注意ください。
補記:推奨されていない食べ方ではありますが、「ご容赦どらやきを1日置いたらどうなるのか?」一切れ残し、試してみました。
本当に水を吸って、フッカフカのスポンジ状だった生地の魅力が、大いに損なわれることが分かりました。
美味しさを追求する厳格な賞味期限設定! 六花亭のプロ意識は、さすがでした~!!
六花亭でお菓子を購入する際、和よりも洋に魅力を感じてしまいます。ですのであまり、どらやきを好んでは食べたことがなかったのですが、期間中に最低もう一回はリピートしたい味でした。
したっけね~。