前職は、今までの職歴の中でも
最も働きやすい職場でした。
厚労省の委託事業で、
「帯広の雇用を拡大し、求職者の育成を行う」
という事業趣旨で、セミナー運営や
商品・開発を行っていました。
主として担ってきたのは
経営者と求職者・創業希望者のための
参加費無料のスキルアップセミナーです。
4年超、年間80本前後のセミナーを運営してきました。
全国で活躍される方々の知見に触れることができ
自身の勉強・スキルアップにも繋がりました。
東京の有名菓子店オーナーを講師としてお招きした際
偶然お会いした菓子店関係者の方にご紹介することができ
のちに素材提供―コラボ商品化に繋がったこともあります。
また後日、POP講座の成果物を地元のお店で発見したり
受講者さんが創業されたことを新聞記事で拝見したり
地域に貢献できている実感と
やりがいを感じることができる
なかなかない仕事を経験させていただきました。
ただ、予算と契約年限の限られた官の委託事業のため
永続性は期待できず、むしろ次のことを見据えながら
働くことが推奨されていました。
また、私の関わっていた委託事業の場合
予算がつくのも2年9カ月単位。
厚労省に申請しても、
採択されるかどうか、直前まで分からない。
そうした環境下にありました。
基本的にやりたいようにやらせていただき
必要な時にアドバイス・サポートをくれる上司にも
頼もしい同僚たちにも不満はありませんでしたが。
ただ、どうしても自分が配っているのは
単発的な「栄養剤」であり
一時的な「点滴」でしかないーー
それだけが、どうしても不満でした。
事業期間が短いと
どうしてもできることは「対処療法」。
長期的な視座に立った
企業や求職者の抱える
「根本問題の解決」や「体力強化」
「サポート」にはなり得ません。
帯広市のことを考えるのであれば
帯広市役所が担当かもしれませんが
数年単位で部署が変わる役所の場合
長期に「専属職員が腰を据えて取り組む」
という話にもなりません。
では、どの立場であれば
長期的視座で帯広のことを考え
実践することが可能なのか?
そう考えた時、
市政のことが頭に浮かびました。
何かをやめるとき、
あるいは始める時。
水の入ったコップにコインを入れ続けたとき
最後のコインだけが溢れる原因ではないように
理由は一つだけではないはずですが。
それが、市政に挑戦しようと思った
きっかけの一つです。
次回は、もう一つについてお話させていただきます。