私が、帯広の「キャッツアイ」を名乗るグループの犯行を初めて認識したのは1月下旬のことでした。
おびひろ氷まつり会場にひっそりと現れた謎の雪玉ヒヨコ!
位置が高すぎて「鳥かな?」とは思いますが、ヒヨコとはーーそもそも言われなかったらあるとは気づけないくらいの密やかな犯行でした!
引き続き、ますやパン麦音店にひっそりと現れた雪玉ヒヨコ。
気づかれるか気づかれないか程度の存在感で、溶けて消えていくはずの雪玉たち。
しかし私はこの時何も気づいていなかったのです、これらが何かの始まりの合図だったとはーー
CASE1:2022/2/7(火)
最初の大事件が発覚したのは2/7のことでした。
キャッツアイを名乗る一団が、ヒヨコ型の雪玉の群れを、帯広の街中に残していったのです。
この頃まだ藤丸閉店直後であり、イルミネーションも撤去される前でした。(後の事件で出てくるため、奥のイルミネーションツリーをよくご覧ください)
この藤丸前の謎の雪玉ヒヨコは、目撃した市民の通報により、北海道新聞ならびに
十勝毎日新聞2023/2/9「こぼれ話」欄に掲載されました。
(↑十勝毎日新聞電子版へ遷移します:記事は有料会員のみご覧いただけます)
勝毎の記者さんが撮影時には、雪玉が溶けて形がよく分らなくなっていた模様ですが、現場の遺留物などからハート形に並べられているのはヒヨコと推定されています。
しかし「キャッツアイ」の三女を名乗るメンバーはこの日のことを「他にも街中のあちこちに展開したのになぁ……」と気づかれていなかったことを、残念そうに語っていました。
しかしこれが、キャッツアイによる帯広の街中ヒヨコ補完計画、「おびぴよ」プロジェクトの始まりだったのです!
「新聞では本人まで探し当てて聞かれなかったから言うけど、藤丸さんのシャッターが下りた後、『寂しくなった』と記事に書かれてしまった街中に、賑やかしだとか人が来るきっかけの一つになればいいなぁと思って」という、出来心による犯行だとキャッツは語っていました。
「おびぴよプロジェクト」
それは自分たちも作るのを楽しみつつ、歩く人の目を引き楽しませることができればーーという愉快犯の起こした事件だったのです!!
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CASE2:2022/2/9(木)
新聞にまで掲載されてしまったのに、この頃連日の好天で雪玉ヒヨコは溶けていました。
キャッツは慌てたのか、続けざまに犯行を重ねました。
何でも「新聞を見て足を運んでくださる方がいては申し訳ない!」「行こうか」「行こう」となり、勝毎電子版に記事がアップされた午後には出動していたとか。一人は元々年休を取っていた日だった、など偶然が重なった成果だと街の噂で聞きました。
この時、大小のハートが二つ、奥には地階売場への入口が再び開くのを待つヒヨコたちなど、キャッツの犯行はどんどん大胆になっていったのです。
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CASE3:2022/2/11(土)
始めたからには継続性が大事、とキャッツが言ったとか言わないとか。
そんな中、犯行予告を受け現場に急行した私は、ハートの真ん中にヒヨコではないものが飾られているのを発見したのです!!
この日は、イルミネーションのツリーなどが撤去された直後。
作業の邪魔なはずなのに、業者さんから配慮を受けたと見られるヒヨコたちは綺麗にその陣形を保ち、さらにはハートの中央部にイルミネーションの落し物がそっと残されていたのです!!
これは、ツリーの葉!!??
キャッツはこの日、藤丸、あるいは街中を愛する人々の愛の連鎖に改めて気付かされたと語っていました。
もっと継続的に、もっとその連鎖が広がることを願いながら犯行を続ける、と――。
この間、キャッツアイの次女が足で除雪したハートもお目見えしています。愛(ハート)ですが、三女の仕業ではありません、次女です。
このダジャレ的な一文ではなく、ハート形の除雪については後で出てくるので覚えておいてください!
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CASE4:2022/2/16
この日は「サクラ咲け!」とキャッツアイからの犯行予告状が残されていました。
この頃は入試と結果発表が続くシーズンでした。受験生ならびに目標を持って頑張るすべての人たちに(もちろん藤丸にも!)桜が咲きますように! の意味を込めた応援だったのでしょう。
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CASE5:2022/2/23(木)
これは誰が何といっても八重桜だ、とキャッツは申しておりました。
八重桜です……
同じものを作っても面白くないけれど、バリエーションを出すのも大変なんだな……と人ごとながら思いました。
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CASE5-2:2022/2/24(金)
キャッツから「ヒヨコをあしらった鹿ちゃんたちの足元が、ある形に掃かれていることに気づいた」と連絡があり、私は第5の事件翌日、再度現場に急行しました。
そうなのです!! 誰かが降雪を利用し、そこだけをハート形に除雪していたのです!!(どなたのお仕事か、ご存知の方がおられましたらご一報ください!)
おびぴよと、ハート形除雪のコラボレーション!!
なんといういたわりと友愛じゃ!!
藤丸も、街中も愛されている!! 微力でもこの火を消してはならない、とキャッツは胸に誓ったそうです。
雪はなくなってしまいましたが、帯広の謎の三姉妹「キャッツアイ」はこれからも、自分たちも楽しみながら、決して大掛かりではなくても、お金をかけなくても工夫と努力でできる犯行を続けていくことでしょう。
小さな石を投げて、その波紋が広がり、後続者が生まれることを願いながら……。
そう、あなたの街にも「キャッツアイ」は現れるかもしれません。
→SEE YOU NEXT CASE!!
(※文中の写真はキャッツアイからの提供写真も含まれており、許可を得て掲載しています)
※これは事件現場に駆けつけ現場検証を行うポンコツ探偵みさきの写真であり、帯広の「キャッツアイ」とは一切関係ありません。